疲労感や倦怠感は気虚のサイン
～鍼灸の話

愛知県春日井市篠木町の鍼灸マッサージ室ゆうせんです。

• 最近疲れやすくなった・・・
• 倦怠感がある・・・
• 元気が出ない・・・
• 冷えを感じる・・・
• 胃腸の調子や悪い・・・
• 食欲がない・・・
• むくみがある・・・

様々な体の痛みや不調とともにこうした症状があるのなら

「気」が不足した「気虚（ききょ）」かもしれません。

そんな時は鍼灸治療やセルフケアで体調を整えましょう。

はじめに鍼灸の基本的な考え方である東洋医学では人体を構成する物質として①「気」、②「血」、③「津液（しんえき）」というものがあります。

これは臓腑とともに体の様々な機能を維持する働きがあり、体の中を常に流れています。

その中でも「気」について考えてみます。

気を一言で現すなら「エネルギー」です
（血は血液、津液は血液以外の水分と考えて下さい）

人は食物から体内でエネルギーを取り出して体を動かしますが、東洋医学でいうところの「気」も似たようなものと考えていただいて大丈夫です。

目に見えない気ですからピンとこないかもしれません。

でも元気、根気、陽気、陰気、強気、弱気、活気といった言葉が示す通り、私たちの体調や行動に何かしらの影響を与えていると思えてきますよね。

「気虚」とは気が足らない、不足した状態のことです。

特に疲労感や倦怠感を訴える患者さんはとても多くて主訴となる痛みやお悩みに違いはありますが、根本的な原因の一つに気の不足（エネルギーの不足）が関係しています。

ですから気虚になりやすいタイプは・・・

1. 元々胃腸が弱い
2. 仕事が忙しい
3. 運動のやり過ぎ、または自分に合ってない運動をしている
4. 他の病気があったり大病の後など

東洋医学では気の働きには以下の作用があると考えられています。

• 人体を栄養する作用
• 活動を推進する作用
• 体を温める作用
• 体表を保護して外邪の侵入を防ぐ作用
• 出血や発汗など体の物質を必要以上に流出させない作用

ですから痛みや不調と共に①疲れやすい②やる気が起きない③冷えを感じる④風邪をひきやすいといった症状があれば、実は気虚で気が不足している可能性があります。

また「湿」（湿気）と「寒」（冷え）は痛みにつながりやすいとされています。

これは気が不足することで邪である「湿」や「寒」が体内で過剰になったり、侵入したりすることで痛みが発生します。

梅雨から夏や冬に決まって痛みや体調が悪化する方いませんか？

気が体内で作られるために大切なことは幾つかありますが、一番は胃腸の働き（東洋医学では脾胃）です。

気は食べ物を消化してできた「水穀の精微（すいこくのせいび）」から作られます。

ただし、気をエネルギーと考えれば東洋医学じゃなくてもイメージしやすいと思います。

痛みや不調とともに疲労感や倦怠感、冷えなどがある気虚では先ずは胃腸を整えることが大切です。

先ずは肉体的にも精神的にもリラックス、リフレッシュして疲労を解消することです。

そして暴飲暴食はもちろん、アルコールや甘すぎたり辛すぎる物を控えて、消化の良いものを食べることが大切です。

治療においては主訴の痛みや不調を改善する経穴（＝つぼ）に加えて脾胃の働きを活性化する経穴を加えて鍼やお灸をします。

気が体内で作られるために「水穀の精微」以外にも大切なものがあります。

それが「先天の精気」です。

これは両親から受け継がれたもので特に発育や生殖に関与します。

そして先天の精気は腎（腎臓）との関りが深く「腎は先天を主る」と言われています。

この先天の精気は年齢とともに減少するので、歳を重ねる毎に腎の働きが衰えることは避けて通れません。

腰の重だるさ、下半身の冷え、泌尿器系の疾患などが腎の衰えでよくある症状です。

また不妊やめまいや耳鳴りなど耳に関する疾患、近年話題のアンチエイジングなども腎の機能が大きく関与すると東洋医学では考えられています。

こうした症状が顕著であれば腎を補うことが大切です。

食べ物では豚肉や大豆、栗などの他、色の黒いもの（キクラゲ、しいたけ、海藻類など）が良いとされています。

鍼灸では腎を補う経穴を加えていきます。

気虚のセルフケアとしては自分でできるツボ押しやお灸や使い捨てカイロで温めることが手軽にできるケア方法です。

気虚の経穴としては①脾胃（胃腸）を整える経穴②元気の源の経穴③腎を補う経穴があります。

①脾胃を補う経穴としては足三里（あしさんり）と中脘（ちゅうかん）です。

②元気の源の経穴としてはおへその下（臍下丹田と言います）にある気海（きかい）と関元（かんげん）です。

臍下丹田には人間の活力である気や血が集まる場所と考えられています。

③腎を補う経穴としては内くるぶし周囲にある太谿（たいけい）や復溜（ふくりゅう）です。